2017年11月2日木曜日

竜山石

 兵庫県立考古博物館図録、「播磨国風土記」-神・人・山・海-
この中に、竜山石のことが載っています。
以下、抜き書きです。
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 近畿地方を中心とする古墳時代前期の大型古墳に使われた棺材といえば
長大なコウヤマキの丸太を刳り貫いた割竹形木棺最も普遍的なものでした。
一方、讃岐地方では前期後葉になると、さぬきに産する凝灰岩の一種である火山石や高松市の鷲の山石という安山岩を刳り貫いた石棺が開拓されます。鷲の山石製の石棺は河内の大型古墳でも採用が確認されており、大王墓の棺にも用いられた可能性があります。
 ところが中期に長持形石棺が大王墓の石棺として採用されると鷲の山石ではなく高砂市周辺で産する竜山石が使われ、後期の横穴式石室に納められる家形石棺では、竜山石製石棺は播磨一円のみならず、近畿地方中心部から西は山口県まで広範囲に広がるのです。
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図録の168、竜山石製石棺と鷲の山石製石棺の図です。

 高砂市にある生石神社の巨大なご神体、石の宝殿についても、図録では670年頃の説が有力視されているとあります。
 石棺の分布図を見て、西日本に名字分布が偏っているのと重なってきます。これが戸籍ができた時代と重なってきて、古墳時代と律令制の開始の時代がつながってきたように思われます。

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